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賃貸住宅紛争防止条例と大阪府版ガイドライン

賃貸住宅

マンション管理の現場では、入居者が退去する際に住んでいた部屋の原状回復とそれに伴う補修費用の負担割合に関するトラブルが多く発生していました。

このトラブルを防止するために、東京都では賃貸住宅紛争防止条例が定められたという経緯があります。

まず、賃貸住宅紛争防止条例についてその概要を説明した後、大阪府ではどのような対応が取られているか、そして大阪府版のガイドラインの内容も紹介します。

大阪でマンション管理をする上では避けて通れない問題ですので、内容をよく確認してください。

賃貸住宅紛争防止条例とは

賃貸住宅紛争防止条例とは、具体的には退去時に原状回復や修繕の費用に行いて、貸主側が借主側に対して説明義務があると定めた条例です。

退去時の原状回復は補修費用をどのように負担するのかについては、定められたガイドラインで明示されています。

この内容を超えて借主に負担を求める場合は、別途特約を定めて、借主自身が納得した上で「この特約の内容を実行する」という明確な意思表示をしたことを証拠として残しておく必要があります。

この条例は東京都内だけに効力がありますが、首都圏の県でもこの条例を受け、それぞれ対策を表明。

大阪府も、この内容を受けて「賃貸住宅の原状回復トラブルを防止するために」という「大阪府版ガイドライン」と呼ばれる文書をまとめています。この文書の内容については次に詳しく解説します。

大阪府版ガイドラインの説明

国土交通省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」を参考にして定められた「賃貸住宅の原状回復トラブルを防止するために」。通称大阪府版ガイドラインと呼ばれています。[注1]

大阪府版ガイドラインでは、非常にシンプルに、原状回復の基本原則をこのように表現しています。

  1. 入居者が退去する際、通常の使用範囲内での損耗等の復旧は貸主が行うことが基本
  2. 入居期間中に必要となる修繕は貸主が行うことが基本
  3. 上記と異なる特約を定める場合は、貸主・借主双方の明確な合意が必要

この基本原則は、賃貸住宅紛争防止条例に沿った内容です。

ここで今一度「原状回復」についておさらいしましょう。

「「原状回復」とは「借主の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と国土交通省や大阪府版ガイドラインには明示されています。」[注2]

これは、新築時や入居時の状態に戻すという意味ではありません。

従って、借主が負担しなければならない原状回復にかかる費用とは、「借主が通常使用した場合であっても、借主が手入れ等の管理を怠り、損耗が発生、または拡大したと推測できるもの」また「故意・過失・善管注意義務違反による損耗」と大阪府版ガイドラインには示されています。

このガイドラインにより、「結露を放置したことによるカビの発生」などは借主負担、「通常使用による、ふすまの劣化(日照等によるもの)」は貸主負担、と負担を区分することができ、原状回復をめぐるトラブルを未然に防ぐことが可能です。

ガイドラインには原状回復の補修費用に関するトラブルを防止するための手順も定めていますので、その手順も紹介しましょう。

[注1]大阪府:賃貸住宅の原状回復トラブルを防止するために

[注2]国土交通省:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

マンション管理にかかる法律について解説

マンション管理の法律

マンション管理にかかる法律というのは、ただ管理会社と住民のトラブルを強制的に解決するというものではなく、マンションを管理しやすくすることで快適な住環境を整えること、マンションの資産価値を守ることを目的に作られたものです。

その法律の中にあるのがマンション管理適正化法というもので、マンションの管理業者はこの業務規制によって業務を行うことでよりスムーズな管理が可能になります。

マンション管理適正化法はトラブルの発生を防ぐために2001年交付

マンションには、居住する固有スペースだけではなくエントランスや廊下、駐輪スペース、エレベーターなどさまざまな共有スペースがあります。

ほとんどのマンションの管理組合では、こういった共有スペースをマンション管理会社に業務委託をして管理を行っています。

住居者から見ると、マンションの管理組合も管理業者も同じと言うイメージがあるかもしれません。

しかし、管理業者というのは管理士としての資格を持っているので、管理組合とは業務の質がまったく違います。

ただし、業務内容は管理組合が行うことを代行しているため、管理業者としての義務だけではなく権利や規定を設けることでトラブルの発生を防ぐマンション管理適正化法が2001年交付施行されました。

マンション管理の業務を適正に実施する仕組みを整えることで、良好な居住環境の確保が目指せるのがこの法律です。

マンション管理適正化法は、主に5つの業務規制が制定されています。

管理業務主任者の設置

管理会社は、事務所の規模に合わせて一定の成年者である専任の管理業務主任者を置くことが定められています。

管理業務主任者というのは、国家試験に合格していること、管理業務の実務経験を一定の期間以上有していることが必須です。

この条件をクリアして国土交通大臣の登録を受け、管理業務主任者証の交付を受けたものが管理業務主任者となります。

管理業務を行う場合、区分所有者などから請求されれば、主任者証を提示する義務があります。

重要事項の説明並びに書面の交付

管理委託を受ける場合、契約の締結や更新をするときは、管理者などに管理委託契約の内容や重要事項の説明を行う必要があります。

重要事項の説明は、従前とは異なる内容だった場合と、従前と同じ内容の場合の2パターンがあります。

従前とは異なる委託契約の場合は、事前に説明会を開催して重要事項の説明を行います。

説明会の一週間前までに、区分所有者と管理者に対し、説明会の案内と重要事項に関する書面の交付をしなくてはいけません。

従前と同一の内容の場合は、区分所有者全員に重要事項の書面の交付、管理者等に対しては重要事項の書面の交付と説明を行います。

契約が成立した時の書面交付

管理組合との契約が締結した場合は、一定の事項が記載されている書面に管理業務主任者の記名押印をした書面を管理組合の管理者等に対して交付をしなくてはいけません。

財産の分割管理

過去に、横領などの問題が取り沙汰されたことがある管理組合の修繕積立金などの財産は、他の管理組合の財産や自己の固有財産と分けて管理しなくてはならないと制定されています。

財産の分割管理に関しては、2010年の1月に一部改正が行われています。

改正では、分別管理の方法が3つの種類に定められました。

1つは収納口座に預入した修繕積立金の金銭から管理事務に要した費用を控除した残額を、収納講座から保管口座に翌月末日までに移し替える方法。

2つ目は、徴収された修繕積立金を預貯金として保管口座に預入するとともに、管理費用に当てる金銭も収納口座に預入して、管理費用から管理事務に要した費用を控除した残額を翌月末日までに保管口座に移し替える方法。

3つ目は修繕積立金を管理組合名義の収納・保管口座で預貯金として管理する方法となっています。

管理事務の報告

管理業務主任者は、マンションを管理する者に対して、定期に管理事務の内容を報告しなくてはいけません。

この業務規制には、第71条の標識提示義務や第74条の基幹事務の一括再委託の制限(基幹事務は一括して他人に委託することができない)、第79条の管理業務及び財産状況の書類の備置きと閲覧に関する書類の閲覧も定められています。

マンション管理適正化法に違反した場合

マンション管理業者が区分所有者や管理組合等に損害を与えたり、不正な取引をする行為を行ったり、マンション管理適正化法の業務規制に違反した場合には、法律に則って処分を行うことができます。

第81条には違反行為に対する指示、第82条には全ての業務もしくは一部業務の停止、第83条では取り消しに関する法律が定められています。

また第85条には報告の義務、第86条には立ち入り検査を行う権利も定められています。

その他の法律

マンション管理適正化法には業務規制や違反時の罰則だけではなく、マンション管理に対しての努力義務、国や地方公共団体の情報や資料の提供などを遂行する責務、マンション管理士の資格制度なども盛り込まれています。

大阪府版ガイドラインによる原状回復トラブルを防止するための手順

部屋の傷

大阪府版ガイドラインでは、「原状回復トラブルを防止するための手順」として以下の流れで賃貸物件の契約前から退去時までの流れを紹介しています。

  1. 契約前の説明
    貸主または宅地建物取引業者は、契約前に原状回復についての基本的な考え方を借主へ説明する必要があります。
    大阪府版ガイドラインの概要をまとめた「賃貸住宅の原状回復トラブルを防止するために(概要版)」を活用するなどし、トラブル回避に努めましょう。
    また、貸主・借主の修繕区分、範囲、施工目安単価などの原状回復条件を、あらかじめ契約内容に明示しておくと、更にトラブル回避に効果的です。

  2. 入居時:立会い等による部屋の確認
    入居時は、貸主・宅地建物取引業者・借主が立ち会って、部屋の状態を確認します。後から問題にならないように、写真を撮影するなどして入居前の状態を押さえておきましょう。

  3. 入居中の注意事項
    入居中、借主は部屋を善良に管理する義務があります。契約内容やルールを守ってきれいに使う努力をしなくてはなりません。入居中に不具合が生じた場合、借主は修繕などを貸主や宅地建物取引業者と相談します。入居期間中の修繕については、貸主が行うことが基本です。

  4. 退去時:立会い等による部屋の確認
    退去時には、再び貸主・宅地建物取引業者・借主立ち会いのもと、部屋の状態を確認しましょう。この時も、部屋の写真撮影やメモなどにより、状況を把握するようにします。

  5. 請求費用の書面交付と説明
    貸主・宅地建物取引業者は原状回復にかかる費用と、借主が負担すべき金額について、請求書を書面で交付して、説明の上で支払いを求める必要があります。

このように、節目節目での説明と貸す部屋の状態確認を欠かさないようにすることで、トラブルを未然に防げる確率が高くなります。

負担になる内容について

入居者が退去する際の原状回復において、ガイドラインで示されている貸主が負担となる内容と借主が負担になる内容は以下の通りです。

《貸主が負担となる内容は経年変化による自然な劣化によるもの》

  • 新規入居者獲得のために行う畳・網戸・カギ・浴槽などの交換
  • エアコン設置のために必要上開けた壁の穴
  • 建物構造的な欠陥による畳やフローリングの変色

など

《借主が負担となる内容は不注意や管理不行き届きなどによる劣化》

  • 雨の吹き込みを放置したために残ったフローリングの色落ち
  • 結露や飲みこぼしの清掃不良によるカビやフローリングのシミ
  • 子どもやペットによる柱や壁などのキズ

など

管理組合として気を付けるべきこと

原状回復と敷金返還についてはガイドラインが浸透しているのが現状です。では、管理組合としては今後どのようなことに注意していけばよいのでしょうか?

管理組合として未然にトラブルを防ぐ努力を

管理組合は退去時に立ち会いをする義務などはありません。しかし、原状回復トラブルが発生し、話がまとまらず少額訴訟に発展するなどした場合、マンション全体としても印象の良いものでもありません。

管理組合としては、やはり日頃から住民に対し、掲示板や回覧板などを利用して、原状回復のガイドラインの周知徹底を行うなどの努力が必要です。貸主に対しても同じく、ガイドラインを基準に敷金返還などの請求を行うように啓蒙するべきでしょう。

貸主のモラルの向上もトラブル回避の条件

前述でもお伝えしたように、借主が通常の住まい方をしても発生する「経年変化」や「通常損耗」についての原状回復は貸主負担となります。

賃貸契約時に「原状回復特約」をつけることもできますが、この特約はあくまで汚れや破損のある一部分の修繕費のみに適用されるという性質のものです。

特約を過大解釈し、借主に一方的な負担があるような内容は違法・無効となりますので、訴訟になっても貸主に勝ち目はありません。管理組合はトラブルを未然に防ぐために、このガイドラインの周知徹底に努めましょう。

 
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