独立系管理会社に対し、マンションを供給しながら管理も行う会社は「デベロッパー系」と呼ばれますが、ここではそれらの一部会社を紹介しよう。
このカテゴリーで紹介している一部の会社は、言わずと知れたマンション開発&販売の大手であり、全国の都市で数百戸という規模の大型マンションを開発し、次々と販売している。
日本全体のマンション販売のかなりの割合を占めているのではないかというほど、有名ブランドであるといえるだろう。
これらのブランド会社は、マンション販売だけでなく、建築工事を請け負う会社や設備の点検と保守を行う会社、ビル管理会社など多くのグループ会社を抱えているという特徴がある。同じグループ内で仕事を回し合って、大きく成長してきているわけだ。
大手デベロッパーが開発した大型マンションは、販売と同時にグループの子会社へ管理を委託する場合が多いのは、そんな理由があるのである。
そんな大手デベロッパー系の管理会社は、長年培ってきたブランドの知名度や信頼性が売りだ。グループ会社がたくさんあるため、建物の点検や保守、修繕、リフォームなど、マンションに関わる様々な事柄を、グループ会社内で解決することができる強みがある。
またマンションの施工・管理に関して豊富な知識をもっているため、同じようなマンションのトラブルなどの解決策などの知識もたくさんあるので、情報やアドバイスなどを受けたり管理サービスシステムを利用できるケースがあるなどがメリットといえる。
これは独立系の管理会社には太刀打ちできない部分である。
例えば、マンションのデベロッパーで警報や監視モニターが設置し、24時間体制で遠隔管理をしているシステムなどがある。
何かトラブルが発生した際システムが素早く対応し必要な専門会社へ連携をとってくれるので、対応が遅れて被害が拡大するのを抑えられる、といったことだ。
他にもマンションでは必ず必要な定期点検などもそうだ。マンションの管理が少ない業者だと、定期点検をしていてもその知識が少ないために問題発覚の可能性がある状況がつかめなかったり、発見できたとしても修繕手配をしなければいけないこともある。
しかし、マンション管理が豊富なデベロッパーであれば過去の蓄積された経験から、点検時に事前察知がしやすいほか、修繕の連携もデベロッパーが行ってくれるケースもある。
管理組合によっては、マンションが何か問題をもっていても、管理会社は提案してくれないことが当たり前と思っていることもあるかもしれない。それは管理会社が管理の知識不足からトラブル解決につながる提案ができないためだ。
大手デベロッパーであればマンションの管理組合の方向性や悩みを聞いて解決につながる提案をするバックアップ体制が整っていることも多い。
しかし、他社と競争しているわけではないので、消費者の目線から判断すると、価格やサービスの面で努力が足りないところも目立つのは否めない。
管理費が高くなってしまうと、場合によっては住人のクレームにもつながりかねない。大体管理費や修繕積立金が大きく変わる築年数は一律ではなく、時間がたつほど変わる傾向にあると言われている。
ある程度年数を経過すると管理費や修繕費が上がることを覚悟している人も多いが、もし築5年未満で値上がりしたとなると、マンション住民はあまりにも早いと不満を持ってしまう可能性が高いので、しっかりと了承をとってもらうために説明をしておかなければいけない。
管理組合の意向や悩みなどを元にアドバイスするシステムも多い。しかし、大手デベロッパーにとってはグループ会社の利益も重要だ。
もし大規模な修繕を行うことになれば、その工事はデベロッパー関連企業に依頼することになるので、正直なところデベロッパーにとっては有り難い状況である。
もちろん大規模修繕をあえて発生するような計画などを立てることはないが、「何かあったらうちのグループで」と簡単に考える傾向はあるかもしれない。
また、大手デベロッパーのみではないが、管理会社を変更する際に管理組合が変更の引き継ぎの協力・見守りが必要な場合もある。
変更の引き継ぎ自体は変更前の管理会社と新しいデベロッパーと行うが、その内容に間違いや漏れている部分がないかをしっかりとチェックする必要が出てくる。確認しなかったために引き継ぎに関連する問題が発生すると対応が大変である。
管理会社をデベロッパーに変更する際、つい知名度が高い=安心できるイメージで選んでしまいがちだが、本来の目的の「管理業務」と「費用」をしっかりと確認をして選ぶ必要がある。
24時間体制での管理を行っているのか、それとも対応できる時間は限られているのか、また点検等はどこまで行ってくれるのかなど、清掃間隔なども住民によっては重要である。
管理業務だけが素晴らしいサービスでも、その費用が高くなってしまうのであれば、住民から徴収する管理費などが上がることになる。
住民からの声を集めてみると、24時間の充実したセキュリティ対応よりも、これ以上修繕費が上がらないようにしてほしい声が多い場合もあるかもしれない。
また「修繕計画」も大切である。差はあるもののいずれ老朽化していくマンションでは、その修繕が将来的に必要となってくるが、通常マンションの修繕は国土交通省の長期修繕計画の標準様式や作成ガイドラインを参考するのが一般的だ。
そのため定期的な見直しというのが必要となってくる。この計画がしっかりできていないと、大規模な修繕費が発生し、徴収している修繕費では不足することにもなりかねない。
そうなると追加で臨時徴収が必要となるが、マンションの住民から臨時徴収では不満がでるし、管理組合が借金をして修繕費で返済していくことになる。
この管理業務と費用をそれぞれ確認したら、管理組合の意見だけで決定するのではなく住民の意見をしっかりと聞くことが大切だ。
ひとつの手として、住民全員に対してのアンケートをとることも珍しくない。管理組合の理事だけで進めてしまうと、住民との信頼関係が壊れてしまうので充分な話し合いが必要である。
基本的には、管理組合が希望すれば、入居から1年経過した時点で管理会社を変更することは可能となっており、サービスに不満がある管理組合が、デベロッパー系の管理会社から他社へ変更するケースが増えているらしい。
そんな時勢を受けて、デベロッパー系も管理費用やサービス内容に改善を加え、競争力をつけてきているとも言われている。
ここでは、一部の大手デベロッパー系管理会社の業務内容や、会社の特徴ついてまとめてみたので、「独立系もいいが、大手デベロッパーも捨てがたい」という方は、ぜひ参考にしていただきたい。
豊富なマンション管理実績で管理業務の知識は充実しており、地域ごとに点検チームがあり管理員が日常的な清掃・点検などを行っている。
また、セキュリティと生活サポートを合わせたシステムが用意されている。会計業務もシステム化されている他に、未収金時の督促なども専門部署やアドバイザーが対応している。
修繕に関してもマンションごとに沿ったリフォームや工事の提案などもしてくれる。しっかりとマンションを守ってくれるデベロッパーだ。
マンションの施工数が50万戸を達成(2011年6月時点)の長谷工グループの管理会社。デベロッパーの中でも大手といえるだろう。
日常点検や掃除にはライフマネージャー、管理組合に対して運営をサポートするフロント、そして会計や事務担当の業務に応じた専門スタッフが用意されており、セキュリティも24時間のオンラインでの監視をしている。
大規模修繕が必要となった場合にも、技術でサポートしてくれるほか、住民同士のコミュニケーションを広げるサポートなども用意されている。
常駐管理を行うライフサポーターは、高いサービス提供のためのスキルアップを行っており、そのクオリティが高い。
また業務管理のフロントマネージャーやエリアのインストラクターなど、マンションのサポートは充実している。もちろん日常的な点検や清掃をはじめ、劣化診断、設備点検などでマンションの価値を高めるように管理もしっかりされている。
長期的な修繕計画も、工事の費用と住民から徴収する修繕積立金の費用のバランスを考えて立ててくれる。
清水建設では、100%出資した子会社がグループ内のマンション管理を一手に引き受けているのが特徴だ。
大手グループのブランドを活かし、丁寧なメンテナンスや長期修繕計画の作成に力を入れている。怪しげな管理会社は利用したくないという方におすすめだ。
全国で約4.7万戸(2021年12月時点/日鉄コミュニティ実績)のマンション管理を手がける新日鉄不動産。
大手グループだけあってメンテナンス対応には定評がある。また、管理員の教育や研修にも力を入れているため、管理人の対応も丁寧だ。
全国で 798,985戸(2022年4月9日現在/東急コミュニティー実績)のマンション管理を手がける東急コミュニティー。
東急コミュニティーは建物を資産と捉えている。ただ単に修繕したり、工事したりするだけでなく、その瞬間はもちろん、長期的に最適な状態に進化させることを目指している。
全国で 516戸(2022年4月9日現在/大和ライフネクスト実績)のマンション管理を手がける大和ライフネクスト。
400名を超える自社の代行管理員を組織し、管理員の有給休暇の取得や急な体調不良の際にも、普段と変わらないサービスを提供する。
全国で 334,074戸(2022年4月9日現在/三菱地所コミュニティ実績)のマンション管理を手がける三菱地所コミュニティ。
大規模修繕工事は、建物の性能や資産価値を維持し、長く快適に暮らすために必要不可欠。三菱地所コミュニティの強みは、設計・施工、設計・監理、その両方に対応可能なところである。
全国でマンション管理を手がける住友不動産建物サービス。
住友不動産建物サービスは、「マンション管理・ビル管理・お客様サービス(ライフサポート)」の3つのサービスを提供している。これまで培ってきたノウハウを活かして、最新の情報と最新の技術で顧客を総合的にバックアップする。
全国で 108,598戸(2022年4月9日現在/伊藤忠アーバンコミュニティ実績)のマンション管理を手がける伊藤忠アーバンコミュニティ。
日々のマンションの維持管理と、次世代に向けた建物の長寿化・再生を提案している。伊藤忠アーバンコミュニティの使命は、暮らしの安全・安心・快適と、次世代にまでわたる建物資産価値を守り続けることである。
マンションの地域に根付く管理会社を選ぶにあたって、扱っている件数と会社自体の業務年数が長いことは選ぶうえで大切なことだ。
見分け方を元に大阪のいくつかの管理会社を紹介し、それぞれの特徴を解説している。またマンションの管理組合との対応は、管理会社のフロントマンが行うので、そのフロントマンの質も選ぶ際にしっかり見ておくべき部分だ。その際、その経験などはどのくらいであるかを調べておこう。
>>関西マンション管理は難しい!大阪での業務サポート会社を比較してみました!
管理会社の変更を検討していて、その変更先の会社を選ぶ際にはデベロッパー以外にも、独立系の会社が選択肢にあり、独立系は管理会社選択の競争を生き抜くために、価格・サービス面が充実していることも多い。
決してネームバリューだけで選ぶのではなく、しっかりと業務内容を見比べることが大切だ。
オークラハウジング | 大阪ガスコミュニティライフ |
---|---|
所在地:大阪府大阪市北区天神橋2丁目北2-11 | 所在地:大阪府大阪市中央区瓦町2-3-10 |
ケントビルマネージメント | 東洋近畿建物管理 |
所在地:大阪府大阪市東成区大今里西1-29-14 | 所在地:大阪府大阪市中央区高麗橋1-5-2 |
日本ハウズイング | ノーブルライフ |
所在地:東京都新宿区新宿1-31-12 | 所在地:大阪府大阪市淀川区西宮原3-2-1 |
松本ビル管理 | 大京アステージ |
所在地:大阪府大阪市住吉区苅田7-6-24 | 所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 |
長谷工コミュニティ | 三井不動産レジデンシャルサービス関西 |
所在地:東京都港区芝4-6-6 | 所在地:大阪府大阪市中央区本町4-4-25 |
成都管理サービス | エスタス管財 |
所在地:大阪府豊中市岡上の町3-7-1 | 所在地:大阪市北区紅梅町1番18号 |
レンタックス | アドミニ |
所在地:大阪市東淀川区豊里2丁目25-8 | 所在地:大阪市中央区本町2-2-5 |
※当サイトのマンション管理会社の中でマンションの管理サービスが多い順で自社メンテナンスを提供しており、24時間緊急対応に応じてくれる会社をピックアップ。※2021年5月時点の調査情報を元に作成しています
※当サイトのマンション管理会社の中でマンションの管理サービスが多い順で自社メンテナンスを提供しており、24時間緊急対応に応じてくれる会社をピックアップ。※2021年5月時点の調査情報を元に作成しています
私、萬所トラヲは、大阪のとあるマンションで理事長を拝命し、コミュニティの快適さを追求する毎日。このたび新たにマンション管理会社を探すことになり、さまざまな情報を調べたので、みなさんにも参考にしていただければ幸いである。
免責事項
このサイトに掲載されている情報は、2015年11月に調査した内容をまとめたものです。
最新情報やサービス内容を詳しく知りたい場合は、各社の公式HPをご確認ください。